2人目

もうすぐ2人目がうまれるので、帰省している。

夫のイライラからは解放されたが、

実家は実家で、イライラ要素があるから困ったものだ。


私は自分の家族があまり好きではない。

家族の嫌なところを挙げろと言われたら、いくらでも言えそうな気がする。


もちろん良いところもあるけれど、年に数回会うくらいの関係が、やっぱり程よい。


特に、母親が苦手だ。

幼い頃から、自分は拾われた子じゃないかと本気で考えるくらい、母親には嫌悪感を抱いてきた。


小学生の頃は、母親に死んで欲しいとさえ思っていた。


今は、この人の介護なんて絶対無理、と思っている。


自分が全て正しい。

自分がルールブック。

違反者は容赦しない。ヒステリックに攻め立てる。でも、自分はヒステリーだなんてこれっぽっちも思っていない。そう指摘すれば、何倍にもヒステリックにまた怒鳴り散らす…

でも、外面はめちゃくちゃいい。

そんな人。


出産に際して帰省していいか確認した時はオーケーしてくれたものの、帰ってみればあれこれ文句をつけられる。

世話になってる身だから、反論はしないようにしているが、だったら帰らずになんとかしたよ…と心の中で呟く。


1人目の里帰り中に、父が認知症になっていると感じたので、受診を勧めた。

診てくれる病院のリストも渡した。

母には早く連れて行くように促した。


しかし、1年半放置されていた。

父の症状は明らかに進行していた。

母は、日々父に文句だけ付け、受診という打開策を私が示していたにも関わらず、実行にうつさなかった。


父の様子をみて、なぜ連れて行っていないのか聞いても、私が言ってもどうせ無駄だと言う。


それ以外のことは、あれこれ文句を付けて言う通りにさせるくせに。


仕方なく、私が急いで連れて行く段取りをつける。


案の定、すでにアルツハイマー病を発症していた。


遅かった…


母は、これが自分の首を絞めるということに、なぜ気付かないのか。


診断がついたことで、運転免許の返納をしようとすれば、

お母さんが大変になるじゃない、と文句を言う。

父の運転が怖い怖いと散々文句をつけていたのに、なぜか運転させようとする。


福祉手帳を入手すれば、社会保障サービスが色々受けられると教えてあげれば、そんなことしたら認知症がバレて契約関係のこととかが出来なくなる、と言う。


そのくせ、色々整理しなきゃならないこと、全然手をつけてる様子がない。

それを指摘すれば、あんたたちがいるせいだ、と言われる。

あんたたちがいるせいで、銀行にも行けていないのに、とそんな話まで持ち出してくる。

銀行に行けないくせに、お昼ご飯は自分でなんとかしてね、夕飯作っておいてね、と言い残して、趣味の教室やら、講座やら、アカペラグループのおっかけやらはしているのは誰だよ?と言いたくなる。


とにかく、こんな都合のいい母親だ。

好きにはなれない。


子供を感情的に怒りながら育ててきた。

その結果、私はこんな性悪になってしまった。

今は、孫に対して同じことを繰り返している。

叱るのではなく、怒る。

それも、全く信念がなく、同じことをしても、時に怒り、時に許すので、チビ達は混乱する。


私の子供も、なぜ怒鳴られたか理解できないようで、呆気にとられ、悲しそうな顔をする。

まだ一歳なのに。


改めて客観的に母親をみながら、「この人は私の精神的な面の育て方を大いに間違えてきたんだな」と思う。

反面教師にしたいものだ。


それにしても、そんな母親のせいで、穏やかだった父がどんどん凶暴化している。

アルツハイマーの症状の1つだが、母親は自分が拍車をかけていることにはこれからも気付かないのだろう。


父は哀れだが、邪魔者扱いされ始めている私は、もう口を出す気力がないよ。


あの母親には何を言っても無駄だもの。